ポルタティフ
portativ organ(portatif organ)
ポルタティフは、片手で蛇腹フイゴから空気を送りこみ、もう一方の手で鍵盤操作で演奏する。
portative organ は、ポータブルのオルガンということで、パイプオルガンの超小型版だ。
携帯電話を「ケイタイ」と呼ぶのと同じように、「ポルタティフ」と省略しても、このオルガンを指すことになったようだ。
地域によっては「オルガネット organetto」という名もある。
12世紀から16世紀ごろにかけて、家庭でも使われるオルガンということで人気だった。
日本ではオルガンというと、リードを震わせて音を出すリードオルガンのことであるけれども、古代よりオルガンは音の数だけパイプの笛を並べた楽器のことだ。
なので、ポルタティフは、リードではなくパイプがずらっと備わっている。携帯といえど これを持って街を歩くにはちょっとしんどい。
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Hans Memling / Angel with the Portative |