ザックス=ホルンボステル分類(SHシステム)。
音楽学者 Hornbostel と Sachs が作り上げた楽器分類。
人名が前後ひっくり返ってホルンボステル・ザックス分類(HSシステム)とも。
「音を発するものが何か」を基準として分類する方法で、ドイツでまとめられ1914年に公開された。英語でまとめられ発表されたのが1961年というから、比較的新しい分類法だ。
下記は大分類で、5つに分れている(最初は4つだったが、電鳴楽器が加わった)。
この5分類がさらに細かく分けられていて、2000年以降も修正更新されているが、ここでは省略。
体鳴楽器 (IDIOPHONES)
体鳴楽器は、立体が震える。この世にあるほとんどの物は立体で叩けば音が出る。歩けば足音がするし、手をたたけばパンと鳴る。石も木も金属も音の源となる。
作り方によっては音程(ピッチ)を持ったものも作ることができる
作り方によっては音程(ピッチ)を持ったものも作ることができる
膜鳴楽器 (MEMBRANOPHONES)
膜鳴楽器は、平面が震える太鼓のたぐい。平面といえば皮だろう。獣、爬虫類、魚、プラスチックなどの皮膜を使う。 皮は筒に張る。ギュギュっと強い力で張らなければいい音がしない。弦鳴楽器 (CHORDOPHONES)
弦鳴楽器は、線が震える。羊の腸、絹糸などで作った線、金属の線、ナイロンの線。つまり弦だ。強く引っ張れば高い音、長さや太さ(質量)によっても音が変わる。気鳴楽器 (AEROPHONES)
気鳴楽器は、竹、牛の角、巻貝。筒に空気を吹き込むことによって音が出る。 筒の長さによって、また途中に穴を開けることによって音程が変わる。また、ハーモニカやリードオルガンなど管楽器としては分類できない楽器も気鳴楽器とされる。電鳴楽器 (ELECTROPHONES)
電鳴楽器は、根本となる音そのものを電気的に(電子的に)作り上げてしまう。そうそう、シンセサイザなんか。エレクトリックギターなんかも電気回路で音を出すので電鳴楽器とされるが、もともと「弦鳴」なので、ちょっと納得がいかない。
影の声;
とはいうものの、楽器を演奏するミュージシャンにとってこの分類が何か役に立つかというと、実践する上では分類なんてどうでもいいと思うんだけれど。
楽器を総合的に紹介したりする場合、役に立つかもしれないけどね。