ジラフピアノは縦型のピアノだ。
チェンバロの弦を垂直方向に張って縦型にしたクラビシテリウムという楽器があるが、ピアノもこれに真似て縦型にいようという発想で出来上がったのがアップライトピアノ。
家庭でも置き場所が困らないようにコンパクトにしようとしたわけで、アメリカのジョン・アイザック・ホーキンズが1800年に現在とほぼ同じ形のアップライトピアノを完成させた。
縦型のピアノの中でも、ジラフピアノはヨーロッパで作られた旧い時代の楽器で、グランドピアノの形をほぼそのまま縦にしてある。背が高くて「キリン」のようなので giraffe piano とかいう名前が付いたようだ。
当時の装飾好きのヨーロッパ人はこのピアノにグリグリした唐草模様を彫り込んだりしていた。格調高き美術品でもあったわけだ。