ドンキョーナ と チュラ |
あまり耳慣れない言葉ではあるが「黒沢隆朝の世界楽器大事典」に「弦鼓」「片手笛」という表現が記載されている。
このセットは、フランスとスペインの国境あたりで使われていたようで、弦鼓は ドンキョーナ という。これは、メロディを奏でるのではなく、弦を打つリズム楽器である。
片手笛は チュラ。リコーダーと同じ構造ではあるけれども片手で持って吹くので、指穴は3つだけ。
ドンキョーナでリズムを刻みつつ、チュラでメロディ。これでダンスの伴奏をしたわけだ。
音楽を簡単に録音再生する機器が無かった時代。音楽は生音で聴こえてくるものだったし、音が出る鳴り物は民衆にとってかけがいのない道具だったに違いない。そして、重要なコミュニケーションの役割を果たしていたのであろう。