2010/11/01

世界楽器大事典

楽器の本
楽器大事典という名がついているので、事典という機能を備えているのはもちろんであるけれども、ところどころに著者 黒澤隆朝の楽器にまつわるエッセイがちりばめられており、とても面白い。値段は高いけれども読みごたえのある楽器の本。
楽器、それは音楽に用いる道具であろうということで、だれも怪しまない。これでは楽器が作られる前にすでに音楽があったということになる。 しかし、私はこの考えをとらない。楽器とは音楽を作るものだと思っている。つまり楽器のなかった時代には音楽といわれるものがなかったのである。音楽と共存するものに言語があり、多くの人々は言語から音楽が作られたと思っている。 音声は音楽の要素になることはもちろんであるが、音声はいわば人間の鳴き声で、赤ん坊の鳴き声は鳥や虫のそれと同じであり、そのままではウグイスにも鈴虫にもまさっているとは思えない。 しかし人間は言語を発明し、話し声の魅力を感情表現に移そうとした。そして劇のせりふ、つまりエロキューション(話術)効果まで発展させた。
【図解】世界楽器大事典 より引用

表紙の女性が吹く楽器は、ポンマーとかボンバルトとか呼ばれる楽器。オーボエが現れる前、ヨーロッパで使われていた古い時代のダブルリードの木管楽器だ。